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ウサギの子宮内膜静脈瘤と子宮腺癌と手術【大阪府堺市の動物病院】

2013.01.25

ウサギの子宮内膜静脈瘤と子宮腺癌と手術【大阪府堺市の動物病院】  
ウサギの雌は早期の避妊手術が重要であることは以前にもお伝えした通りです。
高齢で子宮疾患を発見すると手術するべきと分かっていても麻酔のリスクや状態の悪さで手術に二の足を踏むことも多い。
今回はそんな症例。  

一年前から腹部にしこりがあり、他院で手術できないと言われ経過観察しているうちに大きくなってきたので少し心配になったとのことでセカンドオピニオンをききにきたとのこと。
腹部には確かに大きなしこりがある。
腹部に固着しており、皮下で遊離している感じではない。
一通り検査してみると、腹部のしこりは臍ヘルニアではなく、腹壁から発生しているらしいことが分かった。  
摘出することが理想だが、高齢(6歳)で状態も悪い(食欲低下、慢性下痢etc.)。当然麻酔のリスクは低くはない。
しかし、手術を急ぐもう一つの理由があった。  
全身のスクリーニング検査の結果、内部に多量の液体を含んだ大きな腫瘤が発見されていたのである。
年齢、症状などから考えて子宮内膜静脈瘤の可能性が高い。
であれば、これが破裂してしまえば即死である。  
腹部の腫瘤は摘出できれば摘出するが、子宮の手術を優先することを説明し、手術を実施した。  

結果、やはり大きな子宮内膜静脈瘤が存在しており、破裂させないように慎重に摘出した。
腹部のしこりは腹膜に存在しており、しこりとともに大きく腹膜を切除することで対応した。
お腹の中には大網という脂肪を多く含んだ膜があるのですが、その大網全域に転移していたので、大網をすべて切除しました。
膀胱の側に大きなしこりがもう一つ存在したのですが、そのしこりの中に尿管を巻き込んでおり、安全に剥離することが難しかったのでお腹に残すことになりました。    

写真は左から摘出した腹部の腫瘤、大網、卵巣と子宮、右は正常な卵巣・子宮です。
正常な子宮に比べ、子宮内膜瘤はかなり腫大しています。
いつ破裂してもおかしくないことがわかります。  
状況から考えて子宮腺癌の転移であったと思われる。

子宮腺癌にしても子宮内膜静脈瘤にしても早期の避妊手術で予防できます。
ウサギの雌に関しては高齢で麻酔のリスクに悩むことになる前に避妊手術をしてあげる方がいいでしょう。  
キキ動物病院
大阪府堺市中区深井北町117-3
072-276-3555

ウサギの子宮内膜静脈瘤と子宮腺癌と手術【大阪府堺市の動物病院】

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